恋人のことが好きだ

 

暗く重たい気持ちを抱えている時にしかうまく文章が書けなくて、それなのに最近はもうずっと緩やかに幸せでどうにも筆が進まない。先日夜の公園で偶然友人に会い、ブログ読んでるよと言われた。高校時代の友人からも更新待ってると久しぶりに連絡が来た。好きな人たちに自分の文章を読んでもらえて、感想をもらえるのはやっぱり嬉しい。うまくは書けないけれどたまには幸せをそのまま文章にしてみようと思う。

 

わたしには付き合って3年目の恋人がいて、最近は特に仲良しなので毎日がとても楽しい。もちろん嫌なところはあるし、それなりにけんかもするけれど、それら含めて彼のことが好きだ。

 

彼は明快で、肯定的で、さっぱりしていて、好きなものがたくさんあって、フットワークが軽くて、夜型で、地元が好きで、無邪気で、これらすべてがわたしと異なっていて、異なっていることがいとおしい。わたしの持っていないものを持っていて、わたしだけでは見られなかったものを見せてくれるような気がする。

 

わたしは本当にずっと自分を好きでいることだけを大切に生きてきたので、「それを好きな自分が好きだから」という理由なしに自分以外の人や物を好きでいることが簡単ではなくて、素直に何かを好きだと表明することがずっとできなかった。同じように、わたしはわたしに好かれるためだけに自分を形成してきたので、わたし以外の誰かがわたしを好きになることもわたしにとって普通ではなくて、仮に好意をもらったとしてもそれをそのまま受け取ることができなかった。

 

それなのに、いまわたしには恋人がいて、わたしは無条件にその人が好きだと伝えることができるし、当然その人もわたしのことが好きなのだと感じることができる。これはわたしにとってほんとうに革命的な出来事で、たとえ3日後に彼と別れることになったとしても、わたしの中の好きという感情にアイロンがけしてくれた彼との生活は、わたしの一生の支えになるだろうと思う。

 

恋や愛なんてものを文章にするのはかなり無粋だし、今の恋人との将来がどうなるかなんてことも今のわたしにはわからないのだけど、今わたしが当たり前に誰かを好きだと思えていること、そしてそれを臆せず言葉にできていることは、過去、現在、未来、すべてのわたしにとって、何にも代えがたい経験だと思うのです。

 

夜中にコメダ珈琲まで散歩したり、ぬるい湯舟でのぼせるまで話したり、薄暗い台所で梨を剥いて食べたり、そういう生活が本当に幸せで、21になったいまのわたしには好きな人がいて、好きでいてくれる人がいて、本当に幸せだということを、ここに確かに記しておきたい。