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先日ベトナムに行きました。

 

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ベトナムのいいところ、タクシーとビールと煙草が安い。食事は基本的に美味しいしコーヒーがとても美味しい。地面そこらじゅうによくわからないシミが広がっている。道路は意外とすんなり渡れる。とにかく二輪車が多くて原付だろうと二人乗りや三人乗りは当たり前、車線の概念はなく、おい邪魔だどけのクラクションが往来する。ただしみんな律義にヘルメットだけはつけている。調べるとどうやら子どもは乗車人数に含まれないらしいし原付は無免許でOKらしい。平和な国だ。

 

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本当に何も決めず飛行機とホテルだけ予約して現地に到着し、とりあえずフォーを腹に流し込んだその足であまり考えず申し込んでみたメコン川のクルーズツアーはガイドの英語が全く聞き取れないこと以外はとてもよかった。参加者の中でわたしたち以外に日本人はおらず、白人は白人で固まっている様子だったので何となく集団の後ろのほうをついて歩く。はちみつ農園の見学中にインド系の老婦人姉妹に話しかけられ、もごもご返事をしたが特に会話は弾まなかった。

ところで旅の同行者は勝手に喋ってくれる人を選んだ方がいい。目的地への道中、何か話すべきか迷う緊張感や居心地の悪さはそれだけで旅の楽しさを曇らせてしまう。同行者は旅のあいだじゅうずっと勝手に喋っていたのでちょうどよく楽に過ごせた。2日目の夜、ベッドの上で高校時代の流行について延々と話し続ける彼女を放って就寝したが、翌朝そんなことはまったく引きずらずヘアアイロンを貸してくれるのが彼女のいいところだ。

 

知らないものに触れるのは楽しい。特に海外志向というわけではないのだけど、知らない国に行くとわかりやすく知らないことばかりなので楽しい。もちろん知らないものを知る楽しさには責任を求められない気楽さも含まれていて、そういう学習の方法しかできないことはけっこう危うい。わたしにはずっと「自分」という謎に満ちた研究対象があって、それについて知るための手がかりを得られる授業が楽しくて仕方がなかったのだけど、就職について考え始めたとき「自分にしか興味がない」という今の状況があまりにも絶望的で最近はずっと落ち込んでいる。

 

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困ったとき脈絡なく話題を変えることができるのが文章の強みらしい。昨年の暮れからずっと肌が荒れている。首まわりから始まって唇、目の周り、耳の端、腕、とにかくあらゆる部分が痒くなって掻いているうちに皮膚が硬化してしまった。皮膚科も2度受診したのだけどあまりよくならなくて、知人に会わなくて済む状況でよかったなあと思う。最近観たブルーマインドという映画は主人公の女の子が人魚になる過程を描いたもので、その中に皮膚が硬くなって鱗に変化していく場面があった。何にもなりたくないなわたしも人魚になれたらいいなと願いながら唇にワセリンを塗る。きょうの夕方1時間ほどふらふら散歩したのだけどもうベトナムより全然暑い気がする。これから夏が来たらわたし干からびちゃうかもね、そしたら海に連れてってよね。